2017/6/7 - News&Topics
駐日パレスチナ大使、ワリード・アリ・シアム氏講演 (2016年10月12日)
駐日パレスチナ大使、ワリード・アリ・シアム氏の講演が2016年10月12日、交流文化学科の主催でおこなわれました。会場となった天野貞祐記念館3階の大講堂は、400名の聴衆でほぼ満席となり、パレスチナ和平に対する獨協生の高い関心を窺わせました。
講演会は、パレスチナ支援について勉強している高橋雄一郎ゼミの学生たちが、英語で質問を投げかけ、大使に答えていただくという、双方向型のコミュニケーション形式がとられました。
国連加盟193カ国中、現在136カ国がパレスチナを国家として承認しています。日本はまだパレスチナを正式に承認していませんが、両国は双方に代表部を置き、大使を交換しています。2016年2月に来日したパレスチナのアッバース大統領は、安倍首相と首脳会談をおこなったほか、皇居で天皇陛下にも会われています。
2000名以上が犠牲となった2014年のガザ攻撃以来、パレスチナが日本のメディアに取り上げられることは多くありません。しかし、入植地の拡大や分離壁の建設など、イスラエルによるパレスチナ占領は厳しさを増しています。シアム大使自身、難民の出身であり、「家を追われること」の不正と悲惨を訴えた大使の語りには、胸に迫るものがありました。
講演終了後は、大講堂外のセミナー・スペースで、コーヒーとケーキなどの茶話会があり、大使は、学生たちの質問に、ていねいに答えてくださいました。
また、講演会の前の週には、高橋ゼミの学生有志による「パレスチナを知るための入門セミナー」が学内で実施され、参加した学生が、予備知識をもって講演会に出席することができたのも、今回のイヴェントを成功に導いた一因だと思います。
(ワリード・シアム氏)
パレスチナ国際協力計画省、北アメリカ課長、日本アジア課長などを経て、駐日パレスチナ大使(駐在)及び韓国大使(非駐在)、駐日アラブ諸国外交団団長。
(記事掲載、2017年6月7日、文責:高橋)