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2017/6/17 - News&Topics

国連広報センター所長、根本かおる氏講演会(2017年6月8日)「国連世界難民の日を前に:今こそTOGETHERの精神を!」

2年生の必修科目「トランスナショナル文化論」の一環として、国連広報センター所長、根本かおる氏の講演会がおこなわれました。2年生の在籍者100名に加え、他学科の学生、教職員、学外からの参加者など、約180名の聴衆を得て教室は満席になり、立ち見が出るほどの盛況でした。

根本氏の講演は、毎年6月20日の「国連世界難民の日」を前に、2018年の国連総会で難民と移民にかんする「グローバル・コンパクト」を採択すべく、現在、全世界で展開されている「TOGETHERキャンペーン」の紹介から始まりました。

「TOGETHERキャンペーン」は、故郷を離れることを強いられている難民、避難民の数が6500万人と、第2次世界大戦以降最大になった現実を踏まえ、2016年9月の「難民と移民にかんする国連サミット」で、193の国連加盟国が全会一致で実施を約束したもので、もちろん日本も参加しています。

「TOGETHERキャンペーン」は、「力を合わせよう、すべての人の尊重、安全、尊厳のために」をモットーにしています。難民・移民の人権を守り、出身国や境遇にかかわらず、すべての人に安全が保障され、すべての人の尊厳が大切にされ、すべての人が尊重される、誰も置き去りにはしない社会の実現を目指して、今、グローバルな取り組みが展開されています。

根本氏は、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)や世界移住機関(IOM)などの活動を紹介された上で、「TOGETHER」の精神を広めていくことの大切さを訴えておられました。また、根本氏は、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」に沿って、持続可能な社会のために、私たちができることについても、分かりやすく説明してくださいました。

私たち「トランスナショナル文化論」の担当教員と受講生は、フェイスブックに”Dokkyo Together”というページを作り、「TOGETHERキャンペーン」に参加しています。このページを是非、覗いて欲しいな、と思っています。
https://www.facebook.com/Dokkyo-Together-718810364967668/
皆さんも、①国連広報センターのサイトで「TOGETHERキャンペーン」について学び、②つぎに、バナーをダウンロードして一緒に写真を撮り、‟Dokkyo Together”に投稿してみませんか。

この日、講演会の客席には、埼玉に暮らすクルド難民の姿もありました。根本氏は講演の最後に、難民支援に向けた日本での取り組みをいくつか紹介し、難民や移民を排斥しようとする、排外主義的な動きが世界のあちこちで頭を持ち上げている中、難民や移民への共感、連帯の輪を広げ、多様性を尊重する価値観を、社会ではぐくむことの大切さを強調されていました。

(講師プロフィール)テレビ朝日勤務の後、米コロンビア大学大学院で修士号(国際関係)取得、在学中にインターンとしてネパールの難民キャンプに派遣されたことなどもあり、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)に1996年から2011年まで勤務、アジア、アフリカ、ジュネーブ本部などで難民支援活動に従事。フリー・ジャーナリストを経て2013年8月より国連広報センター所長。著書に、『ブータン:「幸福な国」の不都合な真実』(2012)、『難民鎖国ニッポンのゆくえ』(2017)など。

(文責:高橋雄一郎、掲載日:2017年6月17日)

根本かおる氏(画像提供ー国連広報センター)
聴衆で埋まった会場
TOGETHERのバナーを持って根本さんと一緒に記念撮影