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2014/3/13 - DoTTS Faculty 教員コラム

カンボジア2014年3月(北野収)

2014年3月、昨年に引き続いて、JICA草の根事業カンボジアの有機農業プロジェクトの年度末評価団に参加してきました。村人とも評価団の先生方とも1年ぶりの再会です。評価団は、団長の国連大学マリオ教授(フィリピン)のほか、コンケン大学などタイの大学の先生3人、カンボジア王立農大の先生2人、そして日本から私を含む2人で構成されています。プロジェクト地は首都プノンペンから東に約80kmのところにあります(移動時間はマイクロバスで3時間強)。

この1年の間に、堆肥センタ―が建設・稼働し、減農薬農産物販売所が建設され、まもなくオープンするなど、1年間の進捗を確認することができました。1日半の現地視察の後、現地(コンポンチャム市)で一泊の後、プノンペンに戻り、評価団で報告書作成のミーティングです。そして、滞在の最終日の午後、カンボジア王立農大で、同大の学長の同席のもと、報告会および評価報告書の提出をしました。

印象に残ったのは、本プロジェクト対象地の農家が、他地域の農家グループを招へいし、堆肥づくり等について、farmer-to-farmerの技術指導を行っていたこと。それと、もうひとつ、最終日のカンボジア王立農大での報告会に、女性を含む農家の代表も出席し、自分たちの活動や学びの様子について、プレゼンテーションしたこと。自国の大学の学長や外国から来た大学教授が居並ぶ前で、自分たちの活動をプレゼンするのはさぞかし大変だったと思いますが、きっと彼らのエンパワーメント(自信をつけること)につながったと思います。良い教育とは、学ぶ者が成功体験を重ねて、次第に、他律から自律的な活動へと転換していくことなのだと、あらためて思いました。この点、開発支援も大学(特にゼミナール)での学生指導も似ているな、とあらためて思いました。

(北野収)

①現地に到着
②小学校でのワークショップ
③説明して下さる農家
④他地域の村人に教える農家
⑥報告会での農家プレゼン