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2022/4/5 - News&Topics

【教員新刊書】『開発との遭遇』A・エスコバル著、北野収訳・解題

コロンビア人の人類学者が、アメリカ主導による母国の戦後の開発政策(農業、農村、ジェンダー、環境、組織制度整備)を民族誌として詳細に分析した本です。コロンビアでの実験が、戦後の第三世界への開発援助政策の雛形になりました。その結果、人々の生活文化が経済学や官僚が造りだした言語・概念によってのみ説明される状態、つまり、日本にいる現代の私たちが生きている状態へと、変化されられていきます。これを近代化または開発と呼びます。興味深いのは、コロンビアの戦後経験が、日本を含めた世界中の非欧米諸国が経験したことと共通する部分が多いことです。それでもなお、ラテンアメリカの先住民族たちは、100%は開発に染まらない文化的レジスタンスをしたたかに展開しているのです。

この本の翻訳作業には、丸10年を費やしました。学生さんには難解な内容ですが、図書館でみかけたら手に取ってみて下さい。内容の一部は、「豊かさを考える国際開発学」のなかでお話します。