2019/9/25 - News&Topics
長野県上田市/東御市でゼミ合宿を行いました(2019.9.11-13)
2019年夏合宿のテーマは「内発的発展と食・農のまちづくり」。春学期に関連文献の輪読で事前学習をしました。内発的発展とは先進国や途上国を問わず、住民参加、地域文化を重視した地域づくりのアプローチです。研修先は、真田十勇士で有名な長野県上田市とお隣の東御市。内発的発展の3事例について、聞き取り調査・現地見学を行いました。
第1に「シビック・アグリカルチャー」のとりくみとして、地域の主婦、有効農家、長野大学(学食)の連携を推進する「NPO法人食と農のまちづくりネットワーク」が運営する2つのコミュニティビジネスの食堂(「コラボ食堂」「松尾町フードサロン」)です。ここではCSA(地域支援型農業)の一環として、産消提携が実践されていました。CSA有機農家さんお二人の圃場(田畑)の見学、手作り味噌や醤油の味見、さらに放射能や農薬による農産物汚染被害、食の安全性に関する詳細なお話を伺い、長時間にわたり活発な質疑応答が行われました。
第2に「地域自給圏(スマート・テロワール)」構想です。「NPO法人信州町づくり研究会」の代表の方から、自給圏構想と日本の農業の現状と問題点について講義をしていただき、活発な質疑がなされました。
第3に「千曲川ワインバレー」です。東御市のワイン&ビアミュージアムの展示を見学した後、ワイン農家さんを訪問しました。この地域は、なだらかな丘一面にブドウ畑が広がり、オシャレなワイナリー、レストラン等が点々としています。ワイナリー社長さんのワインとブドウにまつわるお話のあと、ブドウ畑の見学、ブドウ摘み、そしてワイン試飲をしました。
皆さんのお話に共通しているのは、テロワール(地味、土地固有の味)や地元の伝統野菜などを生かした「本物」の食文化の大切さ、人々の意識の改革とつながりの必要性でした。そして、本当の意味での安全な食。最終日は、グループワークとして模造紙で振り返りのディスカッションをしました。これから、報告書づくりに入ります。受け入れて下さった皆様、ありがとうございました。
北野 収
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アメリカ、フランス、韓国など主要国の多くで、政策または消費者意識が脱農薬・減農薬の「オーガニック」へと転回してきています。アメリカにおいてですら、少なくとも家畜飼料ではない人間の食用に供するものについては、消費者の間で遺伝子組み換え(GMO)への疑義と回避が高まってきてます。最近日本では、欧米で禁止または規制強化されている農薬の使用基準が大幅に緩和されました。世界第3の農薬使用大国であり、GMO表示基準もとても緩い日本では、消費者が何も知らない、知らされていない状態が放置されています。国産=安全の根拠はどこにあるでしょうか。お話をしてくださった農家のかんのさんは、最近の政策のについて、「ひどすぎる」と目を赤らめていました。
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