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2024/9/30 - News&Topics

2024年度9月卒業式がおこなわれました

 獨協大学では年に2回、卒業生を社会に送り出します。いずれの卒業式でも、様ざまなスピーチや挨拶があります。その中でも卒業生代表のスピーチは特に印象深いものです。今年の9月、90人の卒業生を代表しスピーチをしたのは、私たち交流文化学科の中里麗さんでした。中里さんのスピーチはとてもすばらしく、交流文化学科の学生全員に聴いてもらいたいものでした。彼女は、新型コロナウイルスが猛威を振るい始めた頃に、獨協大学に入学し、授業がオンライン環境でしか提供されなかったなど、様ざまな困難に直面しながら学生生活を過ごした経験を語ってくれました。中里さんもまた、獨協大学の多くの学生がそうであるように、入学前から海外留学や海外旅行の夢を持っていました。新型コロナウイルスの脅威が弱まる頃、中里さんはあらゆる機会を利用して日本や海外の大学へ出かけ、多くを学び、学生生活を楽しみ、海外のさまざまな文化を体験しました。 彼女の体験談は、交流文化学科の学生たちが、学業を深め、さまざまなチャンスをつかみ、キャンパス内外でいろいろな生活を経験する励みとなることでしょう。どうか中里麗さんのスピーチをじっくり読んでください。そしてみなさんも、夢を抱き、それを実現するために努力する時間を取ってください。 できる限り多くのことを経験し、できる限り多くのことを学び、そして、卒業までにみなさんに残された時間を有意義に過ごし、すばらしい自らの学生生活のストーリーが生まれることを心より願っています。

交流文化学科長 L.G.ボンド

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本日は、私たち卒業生のためにこのような式典を催してくださり、誠にありがとうございます。ご多用の中、ご出席を賜りましたご来賓の皆さま、学長、先生方をはじめ教職員の皆さま、並びに関係者の皆様に、卒業生一同、心より御礼申し上げます。

 「絶対に獨協の交流文化学科に入学する」そう心に決め受験勉強に挑み、入学が決まった獨協大学での学生生活は、新型コロナウイルス感染症の蔓延とともに始まりました。1年生の時はすべて遠隔で授業が行われていたため、友達にも会うことができず期待していた大学生らしい生活ではありませんでしたが、そんな環境下でも自分ができることを探し出し、私は英単語学習と英会話の練習、フランス語検定に向けての勉強、そして英語とフランス語の教職履修をはじめました。その時の決断と努力のおかげで、私は大学生活で様々なことを経験し、大きく成長することができたのだと感じています。

 2年前の今頃、私は初めて日本の外へ出て憧れの国であったフランス、パリを旅行しました。その後、大学の認定留学でフランスのリヨンに5か月滞在し、帰国後も含めてこの2年間で16カ国50都市を旅しました。その中で何度も人との出会いに感動し、その出会いが新たな言語を勉強するきっかけとなり、言語のおかげでまた素敵な出会いが生まれるという、とても幸せな循環のもと、今では世界中に友達がいます。日本でも、接客のアルバイトをしながら外国人の方を見つけてはその方の母語で話しかけ、一緒に感動を味わうことを楽しんでいます。様々な国を旅した後で今まで以上に英語が好きになり、自分の興味も広がりました。世界の言語や地理、歴史、宗教、そして日本についてもたくさん勉強しました。

 入学前から学びたかった難民問題については、高橋雄一郎先生のゼミでたくさんの知識を得てたくさん考え、自分の意見を持つことができる人間になりました。難民問題の他にも「誰一人排除されない世界をめざして」をテーマに、少数民族や性的マイノリティ、障害を持つ方、技能実習生などを含む社会的マイノリティついて勉強し、授業外での活動も積極的に行ってきました。特に、フランスのCalaisという街にある難民キャンプへ行き、一人でボランティア活動に参加したことは私の人生の中での大きな挑戦であり、とても貴重な経験でした。私はその中で、アフリカのスーダンから逃れてきた方々に出会いました。彼らは英語を話すことができませんが、私に、あるボードゲームを教えてくれました。私も彼らの会話を聞きながらアラビア語を少し覚え、気づいたら私と対戦するための列ができていました。言葉がわからなくても心で通じ合える素晴らしさと、「国や環境が異なる彼らも同じ人間である」ということを強く感じました。

これらの経験を経て、私は教育実習に臨みました。実習では自分の未熟さを痛感したと同時に、教師としてのやりがいを強く感じました。今まで自分が学んできたことや経験を活かし、生徒一人一人と向き合うことや海外のルーツを持つ生徒への対応を心掛けました。最終日にいただいた生徒からのメッセージでは、自分が多くの生徒に良い影響を与えることができたことを知り、とても嬉しかったです。

「勉強すると人は優しくなる」そんなことを学び、この4年半で大きな人間へと成長できました。大学生活、本当に楽しかったです。
 快適な学びの場と、数々の興味深い授業を提供してくださった獨協大学の先生方、職員及び関係者の皆様、本当にありがとうございました。大学生活で出会ったすべての方に心より感謝いたします。そして、欲張りな私にたくさんの貴重な経験をさせてくれた母には、とても感謝しています。どうもありがとう。
 最後に、皆様方のご健康と獨協大学の更なる発展を祈り、謝辞といたします。

2024年9月20日
外国語学部交流文化学科 中里麗

 

左:ボンド学科長、右:高橋先生(ゼミ指導教員)
右:前沢学長