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2024/5/7 - DoTTS Faculty 教員コラム

バラが咲きました(北野収)

私が今、興味をもっている研究上の関心は、人間とノンヒューマン(非人間)の関係性を踏まえた人新世のプラネタリーな関係論です。もはや、この世界観(コスモビジョン)を「国際関係」や「グローバル〇〇」という既存のボキャブラリーで表現することに躊躇すら覚えるのです。

国際関係、外交は国家と国家の関係、文化相対主義や多文化主義は人々と人々との関係、経済発展は人間の経済活動の増加、持続可能な開発は資源の有限性に配慮した経済発展であり、共通するのは人間至上主義(anthropocentrism)です。そこでは常に、自然や環境は主体としての人間からみた客体として認識されています。西洋近代のまなざしを常に正解とすることが、ある種のコロニアリズム的状況だとすれば、地球上の物体や生命体の一つに過ぎなかった人間からの視点を(まるで神の意志の如く)唯一の視点とする態度もまた、コロニアリズム的状況だと言わねばなりません。

私は千葉県の田舎でバラと野菜の世話をしています。このGWでいくつかのバラが咲き始めました。5月末が春バラの満開期になるでしょう。バラは教師であると同時に反面教師でもあります。

バラを育て花を咲かせるには、冬の寒肥え、剪定、誘引、目が出る前の消毒、夏の剪定が欠かせないばかりか、春~夏は毎日の水やり、花骸拾い、毎週の除草、タイミングをみた施肥、切り戻し、そして月1~2回の消毒が必要です。手抜きをすると花はきちんとは咲きません。逆に手抜きをしなければ、大輪の花が沢山咲きます。つまり「愛情」にこたえてくれる訳です。これはある種のコミュニケーションです。

消毒とは、薬剤散布のことです。殺虫剤や殺菌剤です。消毒をすると、頭痛がします。消毒をすると、虫がいなくなります。地中の蝉の幼虫もいなくなるので、夏にセミが出て来なくなりました。バッタや蝶の数も減ってきたような気がします。つまり、人工的な技術に頼っている訳です。

昨年、私は消毒をほとんどしませんでした。その結果、バラの木が10本以上死んでしまいました。品種改良が進んだ派手なバラほど脆弱で、薬剤を必要とします。反対に、野ばらに近い地味な品種は薬剤なしでも花を咲かせることができます。そして薬剤の有無にかかわらず雑草とりは本当に大変です。

遺伝子組み換え作物が世界に広まりつつあるのは、大企業による独占的ビジネスの結果ですが、その根底には遺伝子組み換え作物には除草(雑草とり)の手間が大幅に軽減されるというメリットがあります。

オーガニック野菜を作るのがどれだけ大変か?それでも、お店で付けられている値札の金額は安すぎるくらいです。わが家では、夏野菜は「自給自足」です。虫が喰った形が悪いがとびきり新鮮な野菜を食べることは、今では贅沢といえるかもしれません。

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