2018/2/21 - News&Topics
1年生「基礎演習」クラスで草加ウォーキングツアーを実施しました
少し古い話になりますが、2017年11月、1年6組(担任:高橋雄一郎)では、旧日光街道の草加宿を訪ねるウォーキングツアーを実施しました。
交流文化学科の1年生には「基礎演習」という授業があります。クラス担任の専任教員が受け持ち、20~25人ぐらいの少人数で週に一回、水曜日の朝に時間割が組まれています。
授業の目的は、大学生にふさわしいリタラシーを習得し、2年生以降に専門の科目やゼミを履修する前に、アカデミックなリサーチの仕方を学んでおくことです。図書館やデータベースを使っての資料検索、フィールドワークの方法、プレゼンテーションの方法やレポート・論文の書き方などに加えて、研究対象に批判的にアプローチし、学生一人一人が独自の、新しい発見や発信をしていくことを学びます。高校までの学びが「受動型」になりがちなのに対して、大学では自ら問いをたてること、ディスカッションを積み重ねること、考えをまとめて発信をしていく「能動的」な学びが要求されます。
教材やディスカッションのテーマ、活動はクラスにより異なります。2017年、1年6組では春学期に『まんがクラスメイトは外国人』を教材に、多文化・多民族化する日本社会について学習し、秋学期は各個人が設定したテーマに沿って、6000字以上の論文を完成させる課題に挑みました。ウォーキングツアーは、論文作成作業の息抜きを兼ねて、校外を散策し、大学の所在地である埼玉県草加市について学ぼうと企画したものです。
草加は日光街道の古い宿場町で、芭蕉の『おくのほそ道』冒頭に以下のような記述があります。
ことし元禄二とせにや、奥羽長途の行脚、只かりそめに思ひたちて、呉天に白髪の恨を重ぬといへども、耳にふれていまだめに見ぬさかひ、若生て帰らばと定なき頼の末をかけ、其日漸草加と云宿にたどり着にけり。
芭蕉が東北、北陸へ旅立ったのは元禄2年の(1689年)春でした。舟で隅田川を遡り、千住宿で見送りの人たちに別れを告げ、ようやくたどり着いたのが草加だったと書いていますが、千住から二里半(約10km)は一日の行程としては短すぎます。実際には芭蕉は旅立ちの日、春日部まで歩いたようですが、草加という地名の響きに惹かれたのでしょうか。『おくのほそ道』では草加が初日の宿泊地にされています。修辞上の脚色といえるでしょう。
ちなみにこのクラスの「1年生終了論文」、タイトルは以下の通りです。
世界遺産の保護と観光のバランスについてーー富岡製糸場ーー
日本におけるフードバンクの拡大
北朝鮮における国民生活の実態、そして人権問題について
ハラール産業と観光
北欧はなぜ幸福度が高いのかーー日本の教育と比べてーー
足利市の観光の変遷ーーよりよい街づくりのためにーー
フェアトレードを通し、倫理的な消費を私たちは行うべきだ
日本が観光立国するためには――訪日外国人と地方集客ーー
日本の少子化問題ーー男性育児休業取得率アップをめざしてーー
日本経済成長のための観光政策ーーアジア人観光客をターゲットにしてーー
山梨の地方創生
東日本大震災での外国人への不当な対応
LCCとともに日本の航空会社はどのような変化を遂げていくのか
エスニック・マイノリティのアイデンティティの維持ーー共生するスロヴァキアの人々ーー
イスラム国のグローバルジハードと対テロ戦争
グローバル化による格差問題を解決するには
クール・ジャパンをよりよく発信するために
外国人が住みやすい日本になるためにはーー外国人技能実習制度についてーー
なぜ日本人はボランティアに消極的なのか
スマートフォンが人類に与える影響
女性問題と日本
投票率をあげるためにはーーネット投票のすすめーー