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2018/2/1 - News&Topics

須永和博研究室の卒業論文発表会を実施しました。

交流文化学科の須永和博研究室(ゼミ)では、北野収先生のゼミと同様、1月27日(土)に卒業論文発表会を実施しました。本ゼミでは、フィールドワークを重視する「現場主義」の学問である文化人類学を手がかりに、ツーリズムやまちづくり、移民・難民、先住・少数民族など、グローバル化が進む現代世界の様々な事象について研究をしています。

3年次には、大阪と北海道でゼミ合宿を行い、フィールドワークや論文作成の基本を徹底的に叩き込みます。この合宿形式でのフィールドワーク実習は、共に学び、共に切磋琢磨していくという(学びの共同体としての)ゼミの基本姿勢を身につけるという意味もあります。そして、こうした作業と平行して、各自が卒業研究のテーマやフィールドを徐々に絞り込んでいき、予備調査や文献研究をしつつ、就職活動がひと段落した4年次の夏くらいから本格的なフィールドワークに取り組みます。

濃密なフィールドワークを通じて、対象社会を内側から理解することを目指す調査法やモノグラフのことを、文化人類学ではエスノグラフィ(民族誌)と呼びますが、本ゼミでは各自が設定したテーマ・フィールドについてのエスノグラフィを卒業論文としてまとめることが求められます。以下は、今年度に提出された卒業論文のタイトル一覧になります。

「ベトナム西北部少数民族における観光」
「旧住民と移住者による戦略的まちづくり−徳島県神山町の事例から」
「東日本大震災の「記憶」をつなぐー宮城県気仙沼市を事例として」
「アートプロジェクトが地域にもたらす影響−瀬戸内、直島を事例として」
「現代の海女文化の継承と観光の可能性」
「社会空間としての喫茶店−清澄白河を事例に」
「ニューヨーク・ハーレムから見るアフリカ系アメリカ人の文化継承の現在」
「移民にとっての食の重要性−江戸川区インド人コミュニティを事例に」
「住民主体の観光の意義と可能性−屋久島の「里めぐり」を事例に」

各々が選んだフィールドに足を運び、現地の人々と関係を取り結び、愚直なまでに現地の人たちの声に耳を傾ける。こうした真摯なフィールドワークで得られたことを、丁寧に文章に紡いでいき、各メンバーが平均4万字ほどの卒業論文にまとめました。発表会の当日は、その成果を2、3年生や駆けつけてくれたOBOGの前で発表をしましたが、4年間の大学生活の集大成と呼ぶにふさわしい、素晴らしい発表会になりました。4年生の皆さん、本当にお疲れ様でした。

終了後は、OBOG会を兼ねた懇親会を行い、夜遅くまで大いに盛り上がりました。

なお、本研究室の卒業論文は卒業論文集Encountering Anthropologyとしてまとめ、図書館に収蔵しています。今年度のものは3月初旬に完成予定です。関心のある方は是非お手にとってみてください。